2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07211
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橋本 公二 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Lujun. 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 培養皮膚 / 羊膜 / 移植 / 再生 / 角化細胞 / 基底膜 / 免疫染色 / 電顕 |
Research Abstract |
本研究の具体的な目的は、羊膜を応用することにより、簡便かつ大量作製可能な三次元培養皮膚作成法を確立することである。簡便な方法を確立することができれば、当然大量作製法につながると予想される。三次元培養皮膚では真皮に相当する部分にコラーゲンゲルを用いることが多いが、コラーゲンゲルを使用しなければならないために、作成過程が複雑にならざるをえない。そこで、我々は真皮成分に相当する材料を、特に羊膜に着目し、改変することにより、簡便な三次元培養皮膚の作製が可能であるかどうかを明らかにすることを目的とする。I型コラーゲンゲル液に線維芽細胞を加えてカルチャーインサートに添加し、ゲル化させ、10%FCSDMEMにて5日間培養した。その後、ゲルの表面に羊膜を密着させ、さらに数日間培養し、あらかじめ用意してあった角化細胞を羊膜の上に播種した。2日間培養後、空気曝露を行い重層化させ経時的にサンプルを回収し、HE染色、免疫染色、電子顕微鏡にて検索した。HE染色にて形態学的な特徴を解析したところ、羊膜付き三次元皮膚では基底細胞が整然と配列し、有棘層の細胞も均一で、形態的に非常に優れた培養皮膚を形成していた。免疫染色にて基底膜構成成分(ラミニン5,IV型コラーゲン、VII型コラーゲン、?6?4インテグリン)、細胞間接着因子(Eカドヘリン、デスモグレイン1,3,?2インテグリン)、細胞骨格(ケラチン5,14,1,10)、分化マーカー(インボルクリン、ロリクリン、トランスグルタミナーゼ)などの発現を比較したところ、基底膜の成分は線状に均一に発現しており、正常皮膚により近い発現様式であった。電子顕微鏡検査ではヘミデスモゾームは発達しており、基底板、稽留繊維も非常にしっかりとしていた。以上の結果より、羊膜を併用することにより優れた三次元培養皮膚を作製することができると思われる。
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