2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07212
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上口 裕之 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経成長機構研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHAN Carmen 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 神経 / 軸索 / 再生 / プロテオグリカン / GSK-3β / イノシトール3リン酸 |
Research Abstract |
平成20年度は、損傷した成体哺乳類中枢神経系に発現する軸索再生阻害因子であるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)を対象とした研究を行った。CSPGの密度勾配を有するカバーグラスに成体ラット由来脊髄感覚神経細胞を培養し、再生不全に陥った軸索突起先端部(dystrophic endball)を再現した。Dystrophic endballは前方への移動が阻害されており、軸索突起はCSPG密度勾配を上る方向へは伸長しなかった。本培養系に各種薬剤を添加してDystrophic endballの前方移動能を定量したところ、Glycogen synthase kinase-3β(GSK-3β)阻害剤はDystrophic endballの前方移動を促進しかつCSPG密度勾配を上る軸索伸長を可能とした。以上の結果は、GSK-3βがCSPGの下流で軸索再生を阻害する細胞内シグナルとして機能することを示唆している。次に、GSK-3βがリン酸化する基質としてcollapsin response mediator protein-2(CRMP-2)およびmicrotubule-associated protein 1b(MAP1b)に着目し、これら基質のリン酸化体の細胞内局在の解析を開始した。さらに、軸索突起の伸長および誘導(ガイダンス)に関与するイノシトール3リン酸(IP3)シグナルの解析を行った。軸索突起先端部での非対称性IP3シグナルは軸索突起の伸長方向を制御する。軸索誘導に関与するIP3受容体の種類を決定するため、各種受容体ノックアウトマウス由来神経細胞を用いて、非対称性IP3シグナルによる軸索誘導アッセイを行った。その結果、IP3受容体タイプ3が軸索誘導に重要であることが判明した。
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Research Products
(1 results)