2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯冠形成に必須な細胞外マトリックスの産生と再構築に働く上皮-間葉相互作用の解明
Project/Area Number |
07F07214
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
杉山 俊博 Akita University, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARANY Szilvia 秋田大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 細胞工学 / 歯胚 / エナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 / 歯再生 |
Research Abstract |
昨年度、エナメル芽前駆細胞を樹立した同様な方法でマウス胎児の歯牙の象牙芽細胞の形質を有しているpapilla細胞から継代培養して、不死化細胞を樹立した。この細胞を象牙芽前駆細胞(odontoblast-lineage cell (OLC))と命名した。象牙芽前駆細胞は、DSPやDMP1のような、象牙質の細胞外マトリックスタンパク質を産生していた。本年度の目的はin vivoで歯再生を達成するための最適な効率のよい細胞外マトリックス(足場)を開発することであった。そこで、これまでに我々の研究室で樹立したエナメル芽前駆細胞と象牙芽前駆細胞についてその機能発現に関する研究を行った。Matrigelはよく利用されているマトリックスである。ヌードマウスの皮膚にMatrigelに包埋したエナメル芽前駆細胞を移植したところ100%の細胞に石灰化が起こった。一方、Matrigelに包埋した象牙芽前駆細胞を同様にヌードマウスに移植しても組織学的に何も観察されなかった。そこで、PuraMatrix(水溶性の人工合成低分子ペプチドの水溶性ゲル)を用いたところ、6週間後に移植した象牙芽前駆細胞の約25%に有意な石灰化したコラーゲン塊が出現した。我々は2種類の前駆細胞の2次元共培養系を開発した。基底膜は歯根形成に必須であるので、ポリマー性膜の表面に基底膜をコートしたインサート上にPuraMatrix内に封入した細胞をサンドイッチ様に封入した培養法を考案した。予備実験では細胞外マトリックスの中に石灰化が観察された。このようにin vivoにおける実験は生理的な環境に即しているので有益な結果をもたらした。一方、in vitroでの上皮-間葉系細胞の混合実験は器官形成過程における相互作用(組織-細胞、細胞-細胞間の相互作用)を検討するために有力な手段となることが分かった。
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Research Products
(4 results)