2008 Fiscal Year Annual Research Report
顎運動に関与する神経回路網の発育、維持、神経損傷後の再生に関する研究
Project/Area Number |
07F07215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
脇坂 聡 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHI L 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 顎運動 / 筋紡錘 / 運動終板 / 歯根膜機械受容器 / 神経損傷 / 神経移植 / 成獣動物 / 幼若動物 |
Research Abstract |
顎運動は口腔、顎、顔面領域での感覚が感覚神経を介して中枢神経系に伝達され、高位神経系での情報処理後に運動神経により運動終板を介して咀嚼筋の収縮が起こる。それに加え、多くの顎反射機構が存在する。顎運動において主役をなすのは咀嚼筋を支配する神経であり、特に咬筋を支配する咬筋神経が重要であり、筋紡錘は三叉神経中脳路核により支配を受け、運動終板は三叉神経運動核から支配を受けている。そこで、成獣および幼若動物において咬筋神経を損傷させたときの筋紡錘、運動終板における軸索成分と終末シュワン細胞についてprotein gene product 9.5(PGP 9.5),S-100を指標として調べた。またα-bungarotoxinを運動終板における神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体のマーカーとして検索した。その結果咬筋神経損傷により成獣においては筋紡錘および運動終末は変性したが、再生は運動終末のほうが早く認められた。幼若動物では正常動物の発育と比較して生後3日目に咬筋神経の神経損傷を受けるとその発育が著しく遅れることが分かった。 さらに顎運動での感覚入力系のもう一つの重要な要素である歯根膜神経について、成獣で下歯槽神経損傷後に神経移植を行い、歯根膜機械受容器の再生を観察した。移植片として同じ動物の新鮮下歯槽神経、新鮮顔面神経を移植しても移植後6週には歯根膜機械受容器は再生していることが分かった。また、他の動物からの新鮮下歯槽神経、新鮮顔面神経を移植しても同様であった。さらに、凍結保存した他の動物の顔面神経を移植しても移植6週では再生していることが分かった。
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