2008 Fiscal Year Annual Research Report
ティシュエンジニアリング用スカフォールドの特性に及ぼすナノ構造とミクロ気孔の影響
Project/Area Number |
07F07216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 文夫 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Xiaoming 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 細胞工学 / 細胞培養 / スキャフォルド / 微細構造 / マイクロポア |
Research Abstract |
はじめに我々は、三種類の二相性リン酸カルシウム(BCP)スキャフォルド(φ=10.0×1.0mm^3、各々BCP1150-P,BCP1150-D,BCP1130)を作成した。三種類のスキャフォルドはマイクロポア量の制御により、同程度の表面粗さを持つが表面積の異なるもの(BCP1150-P、BCP1150-D)、同程度の表面積を持つが表面粗さの異なるもの(BCP1150-D、BCP1130)とに大別される。これらの試料を用いて、C2C12細胞の接着・増殖・生化学的試験(ALP/DNA量とprotein/DNA量測定)、および、rhBMP-2を吸着させたBCPスキャフォルドを用いたMC3T3-E1細胞、およびヒト骨髄間質細胞(HBMSC)の培養を行った。その結果を以下に報告する。 BCPスキャフォルドを用いC2C12、HBMSC、MC3T3-E1細胞について通常の培養を行ったところ、各素材の表面粗さは細胞接着、細胞増殖、ALPの発現には影響を及ぼさなかったが、細胞機能への影響が観察された。多数のマイクロポアを持つ為に、より大きな表面積を持つBCP1150-Pを用いた場合、BCP1150-D、BCP1130と比較して、C2C12のALP/DNA量は著しく大きな値を示した。更に、rhBMP-2を加えた培地に予備浸漬したBCPを用いて細胞培養を行ったところ、通常の培養結果と比較してALPの発現量増加が見られた。BCP1300、BCP1150-Dと比較して、rhBMP-2による予備浸漬を行ったBCP1150-Pを用いた場合には、全ての細胞についてのALP/DNA量が増加した。 これらの結果は、マイクロポアの増加により表面積が増大したマイクロ構造を持つリン酸カルシウムスキャフォルドが、骨形成細胞へと誘導する細胞と区別するタンパクをより濃縮していることを示唆している。
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Research Products
(9 results)