2007 Fiscal Year Annual Research Report
ティシュエンジニアリング用スカフォールドの特性に及ぼすナノ構造とミクロ気孔の影響
Project/Area Number |
07F07216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 文夫 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Xiaoming 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 組織工学 / 細胞培養 / カーボンナノチューブ / 微細構造 / ナノストラクチャー |
Research Abstract |
組織工学用のスキャフォールドとしてナノマテリアルが注目されている。しかし、ナノマテリアルの構造(ナノストラクチャー)がスキャフォールドの性能に与える影響は未だ明らかではない。本研究ではナノマテリアルで形成された細胞培養用スキャフォールド特性の微細構造(ナノストラクチャー)への依存性について、カーボンナノチューブ及びグラファイトを使用した固化体を用いて検討した。 マウスmyoblastic細胞(C2C12)を上記固化体上で培養し、カーボンナノチューブ固化体上の細胞に於いて、良好な細胞付着、増殖および分化を示した。さらにタンパク質付着性の影響を調査するため、カーボンナノチューブ固化体を予め50%FBSに浸漬した後に細胞培養を行うことにより、より多くのタンパクが吸着するため、MWNTを用いて培養した場合には、全タンパク量とALP量とをDNAで規格した値の増加量は(or全タンパク量/DNA、 ALP/DNAの増加値は)、グラファイトを用いた場合と比較して各々11倍、18倍になった(培養4日、7日後)。それ故、カーボンナノチューブはより多くの特異的なタンパクを吸着するため、細胞機能に有益に働くと考えられる。 さらにヒト由来骨芽細胞様細胞(SaOS2)においても同等の比較を行い、カーボンナノチューブ固化体においてC2C12細胞と同様の良好な培養特性を認めた。さらにrhBMP-2を浸漬した後に、MWNTを用いて培養した場合には、全タンパク量/DNA、 ALP/DNAの増加値は、グラファイトを用いた場合と比較して各々15倍、9倍になった(培養4日、7日後)。 以上より、カーボンナノチューブは大きな比表面積や化学的特性がより多くの特異的なタンパクを吸着するため、細胞機能に有益に働くと考えられることを確認した。
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Research Products
(2 results)