2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07301
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 道雄 Kyoto Sangyo University, 文化学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JUN Yong Hoon 京都産業大学, 文化学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ニュートン力学 / 気 / 重力 / 儒家宇宙論 / 気輪 / 摂動 / 太陽系 / 崔漢綺 |
Research Abstract |
本研究は平成19年11月18日に開始したばかりなので、共同研究としての具体的な成果はまだ公表していないが、それぞれの研究者が共通の問題意識をもって研究に着手している。 まずJun(全勇勲)は19世紀半ば中国を通じて朝鮮に輸入された西洋科学、特に近代天文学を、儒学者であった崔漢綺が如何に理解したか、そして自分の哲学に如何に利用したかを探求した。結論として、彼が西洋の天文学を十分理解しないままその不完全な知識を自分固有の儒学または自然哲学を確立する為に用いたこと、そのさい恣意的な解析と変形・歪曲を避けざるを得なかったことを明らかにした。これについて矢野の助言により英文で論文を完成した(投稿中)。 矢野は江戸時代に西洋天文学・宇宙論が導入されたときに仏教徒の間で起ったリアクションの中に類似の態度が見られることに注目し、全とともに同志社大学理工学研究所の仏教天文学研究会に参加し、円通の『佛国暦象編』を読んでいる。この研究会にはJunも参加し、積極的に発言している。 Junは今後、日本人としていち早く西洋天文学を研究した志筑忠雄を比較の対象として取り上げる予定である。両国のケースを比較することにより、科学の近代化の一側面が明らかになるであろう。そのために京都大学人文科学研究所の武田時昌教授の協力を得て、同研究所および文学部に所蔵されている貴重な資料の検討を始めている。さらに、日韓科学史セミナーに関する特集号として矢野が編集した日本科学史学会欧文誌Historia Scientiarum(2008年3月刊行)の刊行にあたっては、韓国語(ハングル)のローマ字表記の標準化に関して貴重な意見をのべ、編集に協力した。
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Research Products
(2 results)