2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07304
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鴻野 わか菜 Chiba University, 文学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EFIMOVA Zoya 千葉大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 話し言葉コーパス / 日本語 / ロシア語 / タグ付与 / 表記 / 連結語 |
Research Abstract |
2008年4月〜2009年4月の期間、日本語とロシア語の話し言葉コーパスを中心に研究した。 第一のテーマは日本語とロシア語の話し言葉のテクストの収集とタグ付与である。各情報が付与されたテクストの収集としてのタグ付与コーパスに着目し、日本語にもロシア語にも与えられる表記方法と研究用法のクグ付与のスキーマを作ることを課題に研究を行った。 まず日本語の話し言葉の語りを収集してロシア語のコーパスに足し、和露話し言葉コーパスを作成した。収集の方法はどちらの言語も同様で、二種類の絵に描かれたストーリーを題材として、被験者に見て語ってもらうというものである。和露話し言葉コーパスは、語数にして2万語、時間に2時間の音声が含まれている。次に、コーパスのテクストに表記と研究用情報付与を行った。その研究の準備として、日本語学とロシア語学の先行研究を調査し、ロシア語にも日本語にも与えられる表記とタグ付与スキーマを構成し、コーパスの各テクストに対して試行した。言語研究等における利便性を追求するため以下の情報を付与した。1)節単位情報、2)イントネーションのレベル、3)休止やフィラーの情報、4)発話内行為のラベリング、5)自発的な話し言葉特有の現象(言い直し、言い淀み、転訛)のラベリング等。 第二のテーマはロシア語と日本語における連結語の使い方である。収集した和露話し言葉コーパスに基づき、ロシア語と日本語の連結語の頻度及びそれが現れる談話での位置を対照した。その結果、連結語が出現する頻度は一般的に日本語よりロシア語の方が高いことが分かった。また、談話単位(節、文)を繋げる談話標識は、日本語では文の間の関係を表す傾向かおるのに対し、ロシア語では文中の節の間の関係を表す傾向が強いということが明らかになった。
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Research Products
(3 results)