2007 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯西部北太平洋において台風の通過が海洋の炭素循環に及ぼす影響とその経時変化
Project/Area Number |
07F07319
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
才野 敏郎 Nagoya University, 地球水循環研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SISWANT Eko 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 一次生産 / 人工衛星 / 台風 / 新生産 / 湧昇 / 黒潮暖流 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
研究概要本研究では、台湾北東海域において、台風の通過に伴う黒潮流軸の沿岸方向への移動による生物生産の増加を海色衛星データと遠距離海洋レーダーにより評価することを目的とする。 今までの結果と今後の計画 2005年7月18日から19日にかけて、東シナ海台湾北東海域を通過した台風第5号の影響により、黒潮流軸が沿岸方向へ移動したことが遠距離海洋レーダにより観測された。この黒潮流軸の移動により、台湾北東海域の陸棚上において亜表層水の湧昇が起こり、海面水温が下がったことが分かった。海色衛星データを解析した結果、海面水温が下がった海域で明確な植物プランクトンの生物量の増加が見られた。この植物プランクトンの増加は少なくとも一週間程度続いていたことから、下層から表層へ運ばれた栄養塩が寄与した新生物と考えられた。台風による黒潮流軸の移動と海洋生産の変動との関連をより理解するため、2001年から2007年までの、台風通過の前後のすべての海色衛星データと遠距離海洋レーダーデータを取得した。今後の研究計画としては、海色衛星データを用いた一次生産モデルにより、対象海域での年間新生産への台風の寄与とその経年変動を明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)