2009 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯西部北太平洋において台風の通過が海洋の炭素循環におよぼす影響とその経時変化
Project/Area Number |
07F07319
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森本 昭彦 Nagoya University, 地球水循環研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EKO Siswanto 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 一次生産 / 人工衛星 / 台風 / 新生産 / 湧昇 / 黒潮暖流 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
研究概要 過去2年間、台風による生物生産の応答に注目して研究を行ってきた。今年度は、これまでの研究成果をまとめるとともに、今後の研究に必要となる高精度海色衛星データの構築と今後の研究の方向性について検討した。 今までの結果 2年間の研究により、台風通過に伴う海水の鉛直混合と湧昇による下層から有光層への栄養塩供給により増加する基礎生産量を定量的に明らかにした。台湾北東海域の場合、鉛直混合と湧昇だけでなく黒潮の陸棚上への乗り上げに伴う栄養塩供給もあり、他の海域に比べ基礎生産の増加量が多いことを明らかにした。また、台湾北東海域での台風による基礎生産増加量は、最大で東シナ海全体の基礎生産量の11.8%にもなることを明らかにした。 本研究では、主に海色衛星のデータを使い解析した。海色衛星からの植物プランクトン量や基礎生産量の推定は外洋域ではかなり良いアルゴリズムがあるが、濁度め高い黄海、東シナ海ではそのアルゴリズムを使うことができない。そこで、黄海、東シナ海での船舶観測データを使い、黄海、東シナ海において海色衛星データから植物プランクトン量を推定するローカルアルゴリズムを開発した。これまでのアルゴリズムに比べ植物プランクトン量の推定精度はかなり向上した。今後は、さらなるアルゴリズムの改良を行い、台風が沿岸域の生物生産に与える影響も評価していく予定である。
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Research Products
(8 results)