Research Abstract |
(1)日本湖沼での底質重金属汚染変化 既に採取した霞ヶ浦,諏訪糊,木崎湖,宍道湖の底質コアサンプル(2cm間隔,長さ80cm程度)を対象として,蛍光X線分析器により重金属濃度を測定した.こうしたコア資料については,様々な方法で年代推定がなされているので,それらの情報とあわせて,底質の重金属汚染の時代変化を明らかにした.また,このサンプルに対してZn-Fe_2O_3とPb-Fe_2O_3識別ダイアグラムを適用することにより,そうした流域の環境特性の重金属汚染に及ぼす影響を評価,比較した. (2)バングラデッシュで採取したサンプルの分析 バングラデッシュのダッカ,チッタゴンといった都市近郊の湖沼において昨年度採取した底質コアサンプル,ならびにこうした都市の不浸透域で採取した堆積粉塵に対して,前処理を行うとともに,蛍光X線分析器により重金属濃度,GAMSにより底質の年代測定を行った. (3)汚染の時代的変化,及び汚染源の推定 各都市の発展の時代変化をまとめ,重金属汚染の時代変化との対応を解析した.また,堆積粉塵中の重金属濃度等の組成との関係を解析し,底質重金属の汚染源を推定するとともに,その生物,生態系影響,防除策などを検討した.以上をまとめ,数報の論文を執筆した.
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