2009 Fiscal Year Annual Research Report
Siナノ結晶光増感剤による希土類イオン及び遷移金属イオンドープ光学材料の高性能化
Project/Area Number |
07F07322
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 稔 Kobe University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN Hong-Tao 神戸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 希士類イオン / 遷移金属イオン / ナノ粒子 / ナノワイヤ / シリコンナノ結晶 |
Research Abstract |
受人研究者がこれまで行ってきた、希土類イオンとシリコン(Si)ナノ結晶をドービングしたシリカガラス薄膜に関する研究を拡張し、様々な発光センターとSiナノ結晶を同時にドーピングした多成分ガラス薄膜の開発を行う。このような系ではSiナノ結晶の光増感作用により発光センターを高効率に励起できる可能性がある。研究の長期的な目標は、このような系を用いて既存の光増幅器に取って代わるコンパクトな光増幅器を実現することである。今年度は、発光センターとしてビスマス(Bi)イオンに注目した。Biは、固体中で様々な価数を取り、可視から近赤外領域に非常に広帯域の発光を示す。特に、近赤外領域の発光は、光ファイバー通信用光増幅器への応用から注目を集めている。まず、近赤外領域に高効率に発光するBiドープバルクガラスを作製した。このガラスをターゲットし、スパッタリングによりBiドープガラス薄膜を作製した。作製した薄膜は、近赤外領域に発光を示した。さらに、Biドープガラス薄膜とSiナノ結晶層を交互にスパッタ堆積することにより多層膜試料を形成した。この方法では、発光層と光増感剤(Siナノ結晶)層が別々に形成されるため、作成条件的自由度が高く、それぞれの層を個別に最適化できるというメリットがある。様々な条件で試料を作製し、光学特性の評価を行ったところ、多層膜は単層膜に比べて発光効率が大きく増大することが明らかになった。また、発光励起スペクトルから、Siナノ結晶からのエネルギー移動によるBiイオンの励起を確認することに成功した。以上の研究と並行して、ゼオライト粒子にBiイオンや希土類イオンをドーピングすることにより、高効率近赤外発光粒子を形成する研究を行った。その結果、非常に簡便な方法で、多様な発光センターをゼオライト粒子にドーピングすることに成功した。開発した粒子を出発物質とし、様々な近赤外光デバイスの実現が可能だと考えている。
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Research Products
(17 results)