2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07323
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 斉 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PETIT Jerome Mathieu 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Turaev-Viro不変量 / コヴァノフ・ホモロジー / 位相的場の理論 / プレモジュラー圏 / 量子不変量 / 圏化 |
Research Abstract |
今年度は,Turaev-Viro不変量と呼ばれる3次元多様体の不変量の研究を行なった.また,この不変量に付随した位相的量子場の理論の研究も同時に行なった.Turaev-Viro不変量は,3次元多様体を構成する各4面体に6j記号と呼ばれる量を対応させ,それらの積の状態和を取ったものとして定義される.これはWitten-Reshetikhin-Turaev不変量と呼ばれる最もよく研究されている量子不変量と密接な関係があることが知られており,体積予想(量子不変量の漸近挙動と多様体の体積を関係付ける予想)とのかかわりからも興味深い対象である. 研究においては,まず,Turaev-Viro不変量の精密化を考察した.具体的には,Turaev-Viro不変量をホモトピー的量子場の理論に対応した部分に分解したのである.つまり,3次元多様体Mと,Mから分類空間への写像のホモトピー類xとの組(M,x)に対応した不変量を定義し,本来のTuraev-Viro不変量がこれらの和になることを示した. また,プレモジュラー圏を利用して4次元多様体の不変量も構成した,単連結な多様体に対してこの不変量は符号数とオイラー標数のみで決まることもわかった. また,コヴァノフ・ホモロジーを始めとする圏化についても様々な考察を加え,解説的な講演を行なった.コヴァノフ・ホモロジーは量子トポロジーで今最も注目を集めている概念であり,来年度以降はこれについてさらに研究を進める予定である.
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Research Products
(1 results)