2008 Fiscal Year Annual Research Report
r過程近傍のエキゾチック原子核と超重核の原子核構造の研究
Project/Area Number |
07F07325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUO Lu 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 原子核の回転運動 / ハートリーフォック理論 / TDHF / エキゾチック原子核 / 角運動量の保存 / 重イオン衝突 / RIビーム / 超重元素 |
Research Abstract |
申請者らは、この研究計画においては、主には、原子核の回転運動を時間に依存するハートリーフーォック(Time-Dependent Hartree Fock、以下TDHFと略称)理論により研究した。特に次の2つのテーマについての研究を行った。すなわち、1番目のものはTDHF理論における保存則であり、2番目はエキゾチックな原子核の3次元回転についてである。 1番目は実際には、TDHF理論での3次元デカルト座標上で定義された波動関数やポテンシャルにおける角運動量の保存についてである。比較的あらいグリッドで表しても、変形した原子、核の回転は極めてよく現わされることが先ず示された。重イオン衝突は高励起の複合核を作り、かなりの核子放出を伴う。これら放出核子は計算上設定された数値的な箱の面に達し、計算からは消え、角運動量の見かけ上の減少を生じる。このような見かけの変化を見分ける方法を研究した。 原子核の形が、陽子数や中性子数とともに進化するメカニズムの微視的研究は原子核物理学の大きな興味の一つである。原子核の3次元回転運動の微視的、量子多体問題的観点から理解することを目的として、原子核の3次元回転運動をTDHF理論の枠組みで議論するための数値計算コードを開発した。これにより「みそすり」運動や傾斜軸回転などの3軸非対称変形体の回転を研究し、rプロセス核や超重元素核などのエキゾチック原子核に応用する。それにより、第3世代のRIビーム加速器の登場により大きな飛躍が期待されるエキゾチック原子核の物理の発展に貢献したい。
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Research Products
(1 results)