2009 Fiscal Year Annual Research Report
P波・S波レシーバー関数解析による海洋リソスフェアの構造解析
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07F07330
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 均 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRAKASH Kumar 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | プレートテクトニクス / リソスフェア / アセノスフェア / 部分溶融 / レシーバー関数 / 地震波異方性 / 低速度層 / LAB |
Research Abstract |
目的:太平洋および北部フィリピン海の深海底に地震研究所が中心となって世界でも独自に展開している広帯域地震観測網から得られる地震波形データを,Kumar博士が開発したS波レシーバー関数解析法により解析し,海洋プレートのLAB(リソスフェアーアセノスフェア境界)のイメージングにより,「海洋プレートとは何か?」というプレートテクトニクスにおける根本問題の解決をはかる.Kumar博士が開発したS波レシーバー関数解析法は,海洋プレートの底が期待される深さ(50~80km)の構造を解析するのに適しており,海洋プレートの底に急激な速度変化が存在するか否かについて定量的な見積もりを与えるはずである.解析結果に基づき,海洋プレートの地震学的モデルを提出する. 成果:LABのシグナル(海洋プレートの底に対応する速度勾配)の存在を確認した.海洋プレートの地震学的一次元構造モデルを決定し,海洋プレート(リソスフェア)・アセノスフェアの物理モデルを提出した.これらの研究成果を,米国科学誌Scienceに発表し,極めて高い評価を受けた.またこの研究の延長として,陸上の観測点から得られたデータの解析から沈み込む直前のプレートの底を観測する手法を開発し,環太平洋の海洋プレートの厚さを推定した.この成果(Kumar and Kawakatsu)を2009年のAGU Fall meetingで発表し,現在論文として準備中である.
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Research Products
(2 results)