2008 Fiscal Year Annual Research Report
MHDモードを含む異なった揺らぎ間の相互作用に関する理論・シミュレーション研究
Project/Area Number |
07F07332
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 泰明 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Zheng-xiong 京都大学, エネルギー科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プラズマ閉込め・輸送 / シミュレション / 安定性と乱流 / ジャイロ流体モデル / 帯状流モード / ヘリカル状のシア流 / MHDモード / イオン温度勾配モード |
Research Abstract |
平成20年度は、平成19年度に引き続いて以下の研究を進展させた。 微視的乱流によって駆動される帯状流や外部運動量入力などによって駆動される平均流(mean flow)などのプラズマのせん断流は、乱流輸送を抑制する働きがあることが広く知られている。一方、プラズマ中にはこのような平均流に加えて、MHDモードや様々な非線形過程を通して、大域的な渦流(vortex flow)が発生することから、これら渦流が乱流輸送に与える影響を明らかにする必要がある。本研究では、大域的な渦流が存在する場合のITGモードの線形解析および非線形シミュレーションを行い、その影響を調べた。 具体的には、ティアリングモード等のMHDモードによって駆動される大域的な渦流が存在する場合の微視的なスケールのイオン温度勾配(ITG)モード乱流とそれによって引き起こされる輸送ダイナミックスのジャイロ流体モデルに基づくシミュレーションを行った。その結果、大域的な渦流は異なったITGモードとの相互作用を通して異なったポロイダルモード数を持ったモードを連結させる役割を有することが分かった。この結果、ITGモードはポロイダル方向および径方向に大域的な巨視構造を持つようになるとともに、渦流がない場合のITGモードと比べると成長率が低減することが分かった。これは、より不安定なITGモードのエネルギーが減衰の強い高波数モードに輸送されることに起因することを見出した。また非線形シミュレーションを行った結果、渦流が存在する領域では異常輸送は低減し、内部輸送障壁の形成と矛盾しない内部輸送障壁に類似した輸送構造が現出されることが分かった。これらの研究結果は、大域的なMHDモードの励起が内部輸送障壁などのトリガーになる得ることを示しており、同様の事例が実験においても観測されている。 さらに、巨視的なMHDモードによる磁気島によって磁場構造が変形した条件化でのITGモードの特性を解析するとともに、非線形シミュレーションを実施し、磁気島がITGモード乱流の構造および輸送に及ぼす解析に着手した。
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Research Products
(16 results)