2007 Fiscal Year Annual Research Report
m-RNA細胞内導入用炭酸アパタイトナノキャリアの設計と免疫工学的応用
Project/Area Number |
07F07333
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZOHRA Fatema Tuj 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 炭酸アパタイト / リポソーム / m-RNA / 遺伝子デリバリー / エンドサイトーシス / 細胞外マトリックス / サイバイビン / Si-RNA |
Research Abstract |
当研究室で開発された炭酸アパタイトーリポソーム複合体によるmRNA・DNAの細胞内デリバリーシステムが高い遺伝子発現効率を示す要因を解明するため、我々は遺伝子の結合した複合体キャリア粒子が細胞表面に結合した後に、エンドサイトーシスによって細胞に取り込まれる過程に着目し、解析を行った。その結果、我々の遺伝子導入キャリアは、エンドサイトーシスの一種であるマクロピノサイトーシスという機構で細胞内に取り込まれていることが確認された。マクロピノサイトーシスによる細胞内取り込み機構では、取り込まれた物質はリソソームを経由しないため、リソソーム内の酵素による分解を受けない。よって、我々の遺伝子デリバリーシステムが高い発現効率を示す要因としては、炭酸アパタイトーDOTAPリポソーム複合体キャリアを用いることで、導入した遺伝子がマクロピノサイトーシス経路によって細胞に取り込まれたために、遺伝子の分解が回避されたことが考えられる。また、我々は細胞を播種する細胞外マトリックス(ECM)の分子が異なると、本手法によって導入したmRNAやDNAの発現に影響が生じるという結果も得ることができた。ECMとトランスフェクション効率との関連性に着目するという視点は、遺伝子デリバリーシステムの研究においては全く革新的なものであり、同研究分野に新たな地平を切り開く可能性を有している。 現在は、本手法を用いて数種類の腫瘍細胞にサバイビンを標的としたsiRNAを導入し、siRNAの導入における炭酸アパタイト-リポソーム複合体の有効性の評価を行っている。
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