2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ診断・治療を目指した抗体ハイブリッド密生層表面を有する金ナノ粒子の創成
Project/Area Number |
07F07334
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Research Institution | University of Tsukuba |
Host Researcher |
長崎 幸夫 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
SWAPAN Kumar Saha 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヘテロ二官能性PEG / リパーゼ / 酵素重合 / ブロック共重合体 / ナノ粒子 / DDS / ナノ診断 |
Research Abstract |
本研究ではまず、金ナノ粒子上にリパーゼを固定して利用する前に、市販のリパーゼを利用し、ラクトンの酵素重合を行った。我々のオリジナルのヘテロニ官能性ポリエチレングリコールを合成し、この存在下でリパーゼを触媒としたラクトンの重合を行った。ヘテロに官能性ポリエチレングリコールは効率的に反応を開始し、片末端に官能基を有するPEG/PCLブロック共重合体の合成に成功した。例えばカルボキシル基と水酸基を両末端にゆうするPEGを用い、リパーゼによりカプロラクトンを重合した場合、末端にカルボキシル基をゆうするPEG/ポリカプロテクトンを容易に合成することが可能であった。ポリカプロラクトンの重合度はその用いたモノマーの濃度で調整することが可能であった。得られたブロック共重合体は水中で自己組織化し、数十ナノメートルサイズの粒子を形成した。この表層にはPEG末端に導入した官能器が位置し、生分解性の高性能バイオナノ粒子の創出に成功した。例えばカルボキシル基を有するブロック共重合体ではナノ粒子表面のゼータ電位はマイナスであり、アミノ基の場合にはプラスになることを確認した。この様に調整したナノ粒子の疎水性コアに薬物として抗ガン剤のアドリアマイシンを封入した。透析法によって封入したアドリアマイシンは体積比で10%程度可溶化され、安定であった。このアドリアマイシン封入ナノ粒子のリリース実験を行った。アドリアマイシンは疎水性のためフラスコ内では極めてゆっくりとリリースされることが確認された。実験条件下、1週間以内ではナノ粒子の分解は観測されなかった。
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Research Products
(5 results)