2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起プロトンビーム照射による化学反応ダイナミクス
Project/Area Number |
07F07339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 薫 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REMY Toth 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザー誘起プロトンビーム / 量子放射 / 固体ターゲット / フェムト秒レーザー光 / レーザーと物質の相互作用 / プロトン分子衝突 |
Research Abstract |
本年度は、3kHZ CPAレーザーシステムの改良を行った。まず、電動トランスレーションステージを交換し、コンプレッサーのグレーティング位置の調整を行えるようにした。さらに、コンプレッサーのグレーティングのアライメントを最適化し、出力エネルギーの安定性、そして、ビームポインティングの安定性を改善した。また、レーザーと固体ターゲットの相互作用によるイオンシグナルの検出にあたっては、すでに導入済のトムソン型パラボラ分析器により、プロトンおよびC^+、O^+、Cl^+などのイオンの放出がはっきりと観察され、その生成が確認された。これらのイオンについては、その運動エネルギーが数keVから十数keVまで加速されていることが示された。また、イオン放出過程が、レーザーのチャープやレーザーのパルス幅にどのように依存するかについて予備的な結果が得られた。最高強度にエネルギーを固定した場合、C^+イオンの最大運動エネルギーは、最も短いパルス幅におけるより、若干チャープされたパルスによって得られることが示唆される結果が得られた。その場合、正のチャープより負のチャープのほうで高い増加が見られるように観測されているが、今後、この予備結果を裏付ける作業が必要であると考えている。さらに良いSN比のデータを得るために、レーザーのアライメントの手順に習熟するとともに実験装置の配置を最適化した。 現在は、最適化された条件で、プロトンやイオンの放出運動エネルギーがチャープ度とパルス幅によってどのように影響を受けるかを調べている。
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Research Products
(2 results)