2007 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ペプチドの合成および機能発現機構に関する研究
Project/Area Number |
07F07342
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上村 大輔 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAMMAM M.A. 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 日本学術振興会外国人特別観究員
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Keywords | 生理活性物質 / 合成研究 / 合成戦略 / デヒドロペプチド / 固相合成 / リンカー / 保護基 |
Research Abstract |
デヒドロペプチドの合成を進める本研究において、19年度は難合成性の各種ペプチドフラグメントの合成を進めた。セレンリンカーの合成においては、量的供給と精製条件の検討に十分な検討を加えた。このリンカーの反応性について検討したところ、モデル化合物の検討で予期した生成物が、実際の合成中間体で十分に再現できないという問題が発生した。すなわち、側鎖に水酸基を有するアミノ酸(セリンまたはトレオニン)において特定の保護基を有する誘導体で、目的とする反応性が得られないという問題である。19年度後半の検討においては、合成経路のさらなる検討でこの問題を克服しようとしている。この新規反応ルートにおいては、効率のよい逆合成解析によってフラグメント分割を再検討した。これは既存の液相反応を固相条件で達成しようというものであって、さらなる発展性が望めるものである。また、柔軟な合成戦略に対応すべく固相条件で十分な反応性が得られるように、保護基についても検討を進めている。これは同時に、化学的に不安定な官能基を有するデヒドロペプチドの知見を生かし、発展性を確保するためのものである。以上のように目的とするデヒドロペプチドであるkahalalide Fの合成においてはこれらの知見を総合することによって、できるだけ効率のよい合成手法を確立することを目指している。19年度においては当初予期した方向性とは言えないまでも、本研究課題に目標を置いた研究は概ね順調に進行している。
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Research Products
(2 results)