2008 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属ナノ構造体創成へ向けたポリオールプロセス:合理的合成、特性、応用
Project/Area Number |
07F07354
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺西 利治 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Cuncheng 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ材料 / ポリオール法 / プラズモン / ナノ粒子 / 光学特性 / 貴金属 |
Research Abstract |
金属ナノ構造体は、光電場と強くカップリングすることにより光の群速度を制御できる優れた特性を有しており、光化学反応を駆動するために重要な役割を果たす「光」を分子系と結合させる「反応場」を提供することができる。本年度はまず、昨年度合成した197nm正八面体型Auナノ粒子の光学特性について検討した。正八面体型Auナノ粒子モノマーおよびダイマーの散乱スペクトルを測定した結果、ダイマーにおいて顕著な表面プラズモン共鳴波長の長波長シフトが観測され、プラズモンカップリングが発現していることを明らかにした(論文作成中)。次に、紫外領域に大きな表面プラズモン共鳴吸収を有する10nm以上の高品質Pdナノ構造体の合理的ポリオール合成について検討した。ポリビニルピロリドン(PVP)および塩化ナトリウム(NaCl)存在下、塩化パラジウム(II)酸ナトリウムをエチレングリコール中120℃にて還元したところ、Pd(II)イオンは非常に緩やかに還元され、極めて単分散な正二十面体型Pdナノ粒子を選択合成することに成功した。この粒子は、単結晶正四面体Pdが二十個集合した多結晶体であり、反応温度を100〜140℃の範囲で変えることにより、粒径を15〜42nmの範囲で精密に制御することができた。また、粒径の増大に従い、表面プラズモン共鳴吸収波長が長波長シフトし、42nmのナノ粒子では250nm付近にまでシフトすることが明らかとなった(論文作成中)。今後は、得られた正二十面体型Pdナノ粒子の光学特性や光電場増強場の確認を行うとともに、立方体型単結晶Pdナノ粒子との水素吸蔵特性の違いについて詳細に検討する。
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Research Products
(1 results)