2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07355
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
江 東林 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUO Jia 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 光機能 / 合成 / 自己組織化 / 電子移動 / 重合 / 電気伝導 / 結晶化 / モルフォロジー |
Research Abstract |
本研究では、配向が制御されるような強制力を持つ超分子ユニットを導入した光機能性分子の創出を目指す。具体的には、光誘起電子移動を示すようなドナー-アクセプターペアを合成し、自己組織化によりドナーとアクセプターが軸方向に揃った配向を持つ光機能超分子集合体の創出と、その非線型光学機能や光電流効果への応用を探索する。一般的にドナーとアクセプターをつないだ分子を集合させると、双極子-双極子相互作用により、ドナー部位とアクセプター部位が交互に組み合わされて対称中心を有する配向を示す。これが非線形光学材料、光誘起電子移動、光エネルギー変換への実用化を阻んできた。 本年度では、光機能性ユニットとしてトリフェニレンやピレンなどの拡張パイ共役系を合成し、それらをさらに化学的に修飾し、重合可能なモノマーとして大量合成や精製及び同定を行いました。具体的に、divergent法によりトリフェニレンの周囲にヘキサアミン官能基やピレンにはテトラケトン官能基を導入することに成功した。合成したモノマーは紫外・可視吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、質量分析、元素分析などを用いて同定した。すなわち、重合反応に必要なモノマーユニットの合成ルートを確立した。また、精製や同定の仕方も確立した。予備的に、両モノマーの縮重合反応を検討したところ、両者は速やかに反応し、ポリマーに与えることが分かった。以上のように、本研究で最初のモノマーの合成が確立できたことで、今後はポリマー合成の条件や得られたポリマーの機能について検討することを目標とする。
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