2008 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物の超高感度・高選択的検出のための多機能・小型光学式免疫センサの開発
Project/Area Number |
07F07356
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 則雄 Kyushu University, 産学連携センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Sook-Jin 九州大学, 産学連携センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / SPR / 免疫反応 / バイオセンサ / チロキシン / 環境ホルモン / 自己組織化膜 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
本研究では、環境保全、食品安全や医療診断に関連した物質のうち、低分子量有機化合物を高感度かつ高選択的に検出できるコンパクトでマルチ機能を備えるバイオセンサの開発を目的としている。特に、分子認識物質に標識する必要がなく、生化学反応をリアルタイムでモニタリングできる表面プラズモン共鳴(SPR)センサと、我々が独自に提案している間接競合法を組み合わせた高性能な免疫センサとして、本年度は2種類の検知システムについての検討を行い、以下のような結果を得ることができた。 1)甲状腺ホルモンとしてのチロキシン(Thyroxine;T4)の高感度検出 T4は甲状腺から分泌されるホルモンで、全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きを持つ。このT4を検出するために、Auの表面にpoly(ethylene)glycol(PEG)aromatic dialkanethiolsの自己組織化膜によるSPRセンサ素子を作製して検出実験に用いた。検出法としては間接競合法を適用することにより、T4を1ppbまで検出することができた。この免疫センサは安定性が高く、表面を再生することにより30回以上繰り返して使うことが可能であった。さらに、T4の検出とセンサ表面の再生を数分以内で完了できた。 2)環境ホルモン物質としての2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)のマルチ高感度検出 環境ホルモン物質としてよく知られている2,4-Dを、マルチマイクロフローセルと小型SPR装置を用いて、6種類の濃度の試料を同時分析することを試みた。その結果、2,4-Dとタンパク質とのコンジュゲートを固定化したセンサ表面を用い、さらにビオチン-アビジンによる増感効果により、2,4-Dを高感度かつ高選択的にマルチ検出することができた。
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Research Products
(6 results)