2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07359
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
濱 義昌 Waseda University, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QU Xue 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | アルブミン / 機能蛋白質 / フラーレン / 交互積層法 / ナノチューブ / 電子顕微鏡観察 / 分子包接 / バイオ超分子 |
Research Abstract |
本研究は、血漿蛋白質の約60%を占めるヒト血清アルブミン(Mw:66.5kDa)にC_<60>フラーレン誘導体を包接させた新しいアルブミン-機能分子錯体を創製し、その特徴と分子物性を明らかにすることを第一の目的としている。また、鋳型内交互積層法を利用して、それら機能蛋白質からなるナノチューブを合成、電子顕微鏡観察から微細構造を解明することを第二の目標としている。さらに、得られたナノチューブの一次元内孔空間に所望の生体高分子を包接させたバイオ超分子の構築へと研究を展開させる。 本年度は、アルブミン-フラーレン錯体の合成と光機能の解明に集約した展開。ヒト血清アルブミン(HSA)にカルボキシフラーレン(CF)を1/1(mol/mol)で包接させることにより、アルブミン-フラーレン(HSA-CF)錯体を調製し、CFがHSAに定量的に包接されていることをHPLC、紫外・可視吸収スペクトルから明らかにした。HSA、CF各成分の吸収スペクトルの和がHSA-CF錯体のスペクトルと一致したことにより、CFがHSA内に均一に取り込まれていることがわかった。また、表面電荷状態を等電点電気泳動、小角X線散乱測定から解析した。ナノ秒レーザーフラッシュホトリシス分光法を用いて光励起三重項状態の特徴を解明。フラーレンがHSA内部で凝集または会合している場合などは、励起三重項寿命は短くなることを見出した。異なる酸素濃度下で、励起三重項寿命を測定、Stern-Volmerプロットを作成し、酸素分子へのエネルギー移動反応速度定数(kq)を算出。さらに、一重項酸素の生成能をその発光スペクトル測定から定量的に評価した。本物質は、腫瘍細胞に対する光線力学療法の増感剤として機能すると考えられる。 得られた成果は、迅速に取りまとめ、米国化学会誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)