2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリカナノ分子を用いる高性能ハイブリッド電子・高機能材料の開発
Project/Area Number |
07F07360
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 雄資 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Yan Hong 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ケイ素 / ケージ型シルセスキオキサン / 新規シロキサン系ポリマー / 成膜性 / 低誘電率 / 絶縁材料 |
Research Abstract |
耐熱性、力学特性に優れ、3次元ナノ構造を持つポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(POSS)の特徴を生かした新材料を創成するために、ヘプタシルセスキオキサントリオールに種々の官能基を導入し、官能基に特異な反応を行い、1)剛直主鎖構造直鎖状ポリシロキサンの合成と物性の評価、2)POSS構造よりなるデンドリマー構造の構築、3)刺激応答性高性能電子材料の開発を行う。特に、誘電率が2以下となる、次世代高性能絶縁材料を開発することを目的とした。 今年度は、1)アルキルトリアルコキシシランの加水分解条件を精密に制御し、ヘプタシルセスキオキサントリオールを効率よく合成した。さらに、クロロシランと反応させて、POSSを置換基として持つジクロロシランに誘導した。ヘプタシルセスキオキサンの合成法を確立し、種々の官能基の導入法を確立した。現在、目的のポリマーを合成している。今後、物性の検討を行う。この際、ビスシラノールとの反応も検討し、ビスシラノールの構造を変化させて、物性への効果を検討し、物性の最適化を行う。この過程で、ダブルデッカー型のシルセスキオキサンの生成を認め、その同定に成功するとともに、シス、トランス各位生態の分離にも成功した。それを用いる、新規全シロキサン系かつ、膜形成能のあるポリマーの開発に成功した。現在その詳細を詰めている。この素材は高性能絶縁膜材料として大いに期待される。2)、3)については、引き続き検討を加えている。 今年度は、印刷物としての成果は出せなかったが、現在、上述1)の成果について論文作成の準備を進めている。
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