2007 Fiscal Year Annual Research Report
非言語ヒューマンコミュニケーションにおけるダイナミクスに関する研究
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07F07365
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松山 隆司 Kyoto University, 情報学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HYESUN Park 京都大学, 情報学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒューマンコミュニケーションシステム / 相互適応可能なマルチモーダル.インタラクション / 安心・快適な情報環境の構築 / 非言語インタラクション / 相手に対する顔向け動作 / 応答のタイミング / 2者間対話 / 心的状態 |
Research Abstract |
本研究は、安心・快適な情報環境の構築を目指して、人間と情報システムとの間に存在する様々なレベルのギャップを、相互適応可能なマルチモーダル・インタラクションによって解消するために、より高度なインタラクション機能を備えたヒューマンコミュニケーションシステムを開発することを目的としており、平成19年度は以下の研究を実施した。 1.2人の人間が情報端末を用いてインタラクティブに商品などを選択する際の2者間対話における言語、非言語インタラクションの特性を分析するため、対話状況を記録した音声、映像コーパスを作成した。 2.選択課題遂行時における非言語インタラクションの1つとして、相手に対する顔向け動作に焦点を当ててコーパス分析を行い、顔向け動作の有無によって同意、非同意の発話タイミングに変化が生じることを見出した。具体的には、一般に同意応答タイミングは非同意応答タイミングに比べ早いという特性があり、顔向け動作が伴った問いかけの場合は、両者のタイミングの差がより明確化されることが観測され、顔向け動作という非言語インタラクションが心的効果を持つことを明らかにした。 3.情報端末が2者のやりとりを観測し、問いかけに対する応答タイミングの計測に基づいて同意状態と不同意状態がどの程度正確に自動識別できるかを検証した.具体的には、問いかけ発話の終了時刻から応答発話の開始時刻までの時間長、および問いかけ発話の終了時刻から応答身体動作の開始時刻までの時間長を特徴量として、基本的なパターン識別手法を適用することで70%程度の精度で自動識別できることを明らかにした。
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