2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陳 明偉 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LANG Xingyou 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 外国人特別研究員 (00506537)
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Keywords | ナノポーラス金属 / ラマン分光 / 電気化学 / 電子線トモグラフィ / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
100nmの厚さのナノポーラス金をAg_<75>Au_<25>(at.%)の脱成分腐食により作製した。この合金泊は、温度を293K,273K,253K±2Kに制御した濃硫酸上に浮かべることで、腐食を行った。脱成分腐食の間、ナノポアがAgの溶出とAuの表面拡散を介した移動を伴いながら、拡大していくのが分かった。注意深く腐食温度を変えることで、ナノポアもしくは金リガメントの直径と同義な「単位構造長さ」を決定した。この単位構造長さは、デジタルの透過電顕像や走査電顕像をフーリエ変換し、円周方向に平均化することで測定した。表面増強ラマン分光や表面プラズモンスペクトルなどの光学特性は、ラマン顕微鏡法と紫外/可視光スペクトル法によって評価した。異なった単位構造長さをもつナノポーラス金から、表面増強ラマン特性について調査した。ラマン分光評価のため、すべてのナノポーラス金試料について、10^<-7>mol/lのR6G溶液に浸した。その結果、単位構造長さが小さくなるにつれて、表面増強ラマン特性が劇的に改善された。例えば、単位構造長さが50nmに比べて、12nmのものは表面増強ラマン特性が20倍にもなることが分かった。準周期のナノポアと金リガメントの構造を有するナノポーラス金の構造の観点から、(1)電子-光子カップリング効果(2)リガメントのサイズ効果(3)金リガメント同士の電磁場カップリング効果という3つの物理的な寄与が表面増強ラマン特性に対して考えられる。そこで単位構造長さが約15nm,26nm,41nmの異なる試料を作製し、系統的に表面増強ラマン分光特性を評価した。その結果、準周期構造の金リガメント同士の電磁場カップリング効果によって表面増強ラマン分光特性が改善し、試料全域にわたって信頼性が高く均一なスペクトルが得られることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)