2007 Fiscal Year Annual Research Report
表面および界面構造制御したマイクロ流体領域での細胞研究のためのチップ基盤創製
Project/Area Number |
07F07374
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
北森 武彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
XU Yan 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロ・ナノ空間制御 / 表面改質 / 三次元マトリックス / リン脂質ポリマー / ハイドロゲル / 細胞アッセイ / マイクロチップ |
Research Abstract |
本研究はマイクロ・ナノ空間制御と表面改質技術の両面から、生体内の環境を模倣したマイクロシステムを構築して、細胞-細胞間や細胞-基質間の相互作用を解析し、新薬探索ツールや細胞アッセイなどへの応用へ展開することを目的している。 本年度は、生体内の環境を模倣した三次元マトリックスをマイクロ空間内で作成し、その中で培養した細胞の機能を解析した。この三次元マトリックスは、リン脂質ポリマーハイドロゲルから構成されており、細胞に生理的な環境を提供し、細胞機能への影響が少ない。創製した三次元マトリックスは主に二つの成分からなる。一つはpoly(2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine-co-n-butylmethacrylate-co-p-vinylphenylboronic acid)(PMBV)である。もう一つはpoly(vinyl alcohol)(PVA)である。細胞を含んだPMBV溶液(溶剤は細胞培地である)とPVA溶液をマイクロ空間の中に次々と導入して、混ぜてから、細胞を包むハイドロゲルがマイクロ空間内で自発的に形成した。次に、七日間を経てもこの三次元マトリックス内の細胞がほぼ全部生存していることを確認した。これはハイドロゲルが生体内のマトリックスのように細胞を支持し、栄養を提供するからだと考えられる。最後に、細胞毒性実験で三次元マトリックス内の細胞の機能を検討した。実験結果によると、三次元マトリックス内の細胞が通常の細胞のように機能を持つことがわかった。更に、三次元マトリックス内の細胞を用いて種々の毒素をスクリーニングすることもできた。 以上により、本年度は、本研究の目的である生体内の環境を模倣したマイクロシステムを構築した。さらに、それを用いた細胞アッセイへの応用の可能性を示すことができた。
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Research Products
(5 results)