2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造材料中の閉じたマイクロクラックを超高感度に評価する手法の開発
Project/Area Number |
07F07379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AKANDA Md.Abdus Salam 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 機械材料・材料力学 / き裂閉口 / 弾塑性特性 / 微小き裂 / 非破壊評価 / 超音波探傷 / 斜角横波 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
本年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下のような研究実績を得た。 1.き裂閉口に関する基礎的実験 ノッチを有する様々な厚さの平板試験片に対して四点曲げ疲労試験を行い、閉じ具合の異なる様々な深さの疲労き裂を導入することに成功した。当該き裂に対する超音波応答を前年度試作したセンサにより収録し、き裂閉口と超音波応答に関する基礎的知見を得た。また、き裂面間の環境が変化した場合、き裂面での超音波反射特性が変化することから、機械的なき裂の閉じ具合に加えて、き裂面間の環境が超音波応答に及ぼす影響を調査した。き裂面間に水が存在する場合の超音波反射強度は、同部がドライ環境下にある場合と比較して20〜30%程度低いことが明らかとなった。 2.き裂閉口のモデル化と支配因子の抽出 き裂面間の隙間が僅かな場合、超音波入射に伴うき裂面変位によりき裂面の接触が起こり、超音波が隙間を透過する場合がある。円形ナノギャップを内包させたSiサンプルを試作し、実際に超音波入射に伴う円形ギャップ上下面の衝突現象を観察することに成功した。また、き裂の閉口圧力を調整できる治具を用いて、既知の閉口圧力を有するき裂に対する超音波応答を収録した。 3.閉口き裂評価のための校正式の導出 実験で得た既知の閉口圧力を有するき裂に対する超音波応答より、逆問題解析のための校正式を導出した。校正式の導出では、閉じたき裂に対するき裂面の超音波反射率と、開いたき裂に対するそれとの比を取った音圧反射係数を考え、この反射係数がき裂閉口圧の関数であると考えた。また、試験片厚さが超音波応答に及ぼす影響は、超音波減衰として考慮した。
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