2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07391
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中本 高道 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOMBONN Pakpum 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 質量分析器 / 匂いの記録再生 / イオン化電圧 / 匂いのダイナーミックレンジ / マススペクトル / 非負拘束付き最小二乗法 / レシピ |
Research Abstract |
匂いの記録再生システムでは、匂いを再生させるために匂い調合装置を用いる。従来、この装置で実現できる濃度範囲(ダイナミックレンジ)が十分でなかったが、調合装置内で用いている電磁弁のスイッチング時間を短くすることによりダイナミックレンジ拡大が可能である。そこで、電磁弁のスイッチング時間をどこまで短くできるかを検討した。その結果、電磁弁のスイッチング時間を従来の1/5程度に低減できることがわかり濃度範囲を拡大することができた。それから、実時間質量分析器で測定して対象臭のレシピ決定を非負拘束付き最小二乗法を用いて行い、そのレシピに基づいてその場ですぐに匂いを調合するソフトウエアを作成した。その結果、測定後すぐに再生臭を発生することができるようになり、対象臭との比較を容易にできるようになった。改良した装置を用いてりんご臭のレシピ決定実験を行った。9成分で構成される匂いのレシピ決定を行い、対象臭のレシピを精度よく求められることがわかった。そして対象臭と調合臭の違いが区別できるか3点識別法により確認し、人が両者を区別できないほど類似した香りが再生できたことがわかった。また、質量分析器で得られるマススペクトルは、そのイオン化電圧を変えることにより変化し、情報量の増加が期待できる。そこで、イオン化電圧を30〜70eVの間で変化させて高次センシングができるかどうかを調べた。柑橘系の類似した匂いの測定を行い、イオン化電圧を可変にすることによりそれらのパターン分離が向上することを確かめた。
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Research Products
(4 results)