2007 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物処分を対象にした止水材料の透水性と膨潤性に関する研究
Project/Area Number |
07F07393
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桑野 二郎 Saitama University, 地圏科学研究センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIRAZI S. M. 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 止水材料 / ベントナイト / 透水係数 / 膨潤量 / 膨潤圧 / 締固め / 間隙比 / 非ダルシー流 |
Research Abstract |
本研究は廃棄物処分のための止水材料(3種類のベントナイト及びそれらのベントナイトと砂の混合土)の透水性と膨潤性について、(1)周辺温度が及ぼす影響とその算定式の提案、(2)温度が及ぼす影響をミクロ的な観点から解明すること、(3)10^<-8>cm/s以下の透水係数の信頼性を確認することを目的とし、19年度は(1)を対象にして、特性の異なる3種類のベントナイトを用いて、5〜80℃の温度、1.3〜1.9g/cm^3の乾燥密度の供試体について、透水試験、膨潤量試験、および膨潤圧試験を行った。 その結果、透水係数は間隙比の減少に伴って直線的に著しく減少する。また、温度の上昇に伴って増加するが、温度による水の粘性係数を考慮するとほとんど差がなくなり、透水係数の温度依存性は、主に水の粘性係数の影響であることが明らかになった。無載荷状態における膨潤率および膨潤圧は乾燥密度の増加に伴って増加するが、この傾向は膨潤率よりも膨潤圧の方が著しく、膨潤圧は乾燥密度の影響を受けやすい。また、膨潤量測定過程における供試体の土粒子、水、空気の体積率を算出した結果、膨潤初期において空気の体積率が極めて小さくなり、その後増加し、再び減少に転じて最終的に飽和状態に近づくことが明らかになった。膨潤の初期段階では供試体上部まで水が浸透していないことから、この現象は供試体内に局部的な水の層が形成され、時間の経過とともに水の層が消滅していくことを意味し、膨潤機構を解明するうえで極めて重要な成果である。温度の増加につれて膨潤率と膨潤圧とも増加する。その影響は膨潤圧の方が顕著であり、20℃から80℃になると膨潤圧は1.5〜2.0倍にも及ぶことなどが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)