2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07396
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIBI M.H. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 重金属類 / 湖底堆積物 / 砒素 |
Research Abstract |
河川中の重金属類の除去は世界的にも重要な課題である。わが国では、自然湖沼だけでなく、ダム湖においても湖底に金属類が集積していることが予想されるが、現状を詳しく調べて公開した例は少ない。本研究は現場の化学的組成を明らかにし、対策を考える。 島根県にある三瓶ダム湖(1996年から運用)および神在湖の湖底水と堆積物をサンプリングし、2cmごとにサンプルを切り出した。持ち帰った試料は、X線蛍光解析によって15種の成分分析および全硫黄の量を測定した。現状の評価に加えて、沈水生植物(Nitella graciliformis J.)を対象にして生長に与える重金属の影響を調べた。 測定期間中の湖沼は溶存酸素の分布から成層が形成されており、貧酸素にある湖底に砒素、鉄、マンガンが検出され、特に砒素は10μg/L以上の飲み水には適用できない高濃度なレベルであった。16箇所のコアサンプルの結果から、堆積物中の砒素含有量は、鉄または全硫黄量と高い相関があることが示さ計れた。この砒素の堆積は自然に生じた結果であるが、放置すると益々濃度が高くなることが予想される。 実験室では、車軸藻などの沈水性植物に吸収させて浄化が可能かどうかの実験を試みたが、貧酸素状態での生育は困難であり、他の重金属(マンガンなど)の影響によって生長阻害が生じた。砒素に関して効果があるのか今回の実験では明確に現れなかった。
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Research Products
(1 results)