2007 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦撹拌による軽金属材料のミクロ組織と諸特性の制御
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07F07407
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粉川 博之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MIRONOV Sergey Yurevich 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 摩擦攪拌 / 軽金属材料 / ミクロ組織 / 組織制御 / 攪拌部 / 特性 |
Research Abstract |
摩擦撹拌処理(FSP)は、金属材料に微細な結晶粒組織をもたらすはかりでなく、組織の均質化も可能な新しい加工法として知られる。これまで、アルミニウム合金やマグネシウム合金にFSPを適用することにより微細結晶粒を得て、材料の力学特性向上、超塑性特性の発現に関する研究が数多く行われてきた。これらはいずれも、優れた力学特性や超塑性特性を達成するFSP条件をトライ・アンド・エラーにより見つけ出すものであり、また、材料科学的視点に立った検討も極めて少ない。本研究では、Al合金、Mg合金およびTi合金等の軽金属材料のFSP過程における組織成形機構とFSP部の組織と諸特性の定量的関連性を解明することにより、これまで以上に高い汎用性のもと、望まれるミクロ組織と特性を意図的に作り出すことができる制御法を確立することを目的としている。本年度は、FSP過程における組織形成機構の解明に従事した。具体的には、A1合金とTi合金に対してさまざまなFSP条件にてFSPを実施し、FSPツール強制停止法などを駆使しながらFSP部の組織形成機構の直截的な解明を試みた。A1合金に対して、FSPツール強制停止法を適用した結果、ツール直近領域からの組織変化を観察することができた。FSP部の組織は、幾何学的動的再結晶により微細化した後、動的回復と粒成長を繰り返しながら形成されることが示唆された。純チタンFSP部におけるEBSD解析により、FSP過程において、連続再結晶と不連続再結晶がともに生じていることが示唆された。Ti-6A1-4V合金FSP部では、ベータ単相温度域で、FSPツールのショルダ表面に沿ったせん断変形が生じて組織が微細化した後、Burgersの結晶方位関係に従って相変態が起こり、ラス状アルファ相組織が得られることが示唆された。
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Research Products
(1 results)