2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ鋳型法を用いた新規規則性ナノ材料の合成とその応用
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07F07411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAKHMATA Mukti Rino 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シリカライト-1 / メソポーラス・ゼオライト / 両親媒性有機シラン / ゾル・ゲル・プロセス / ナノ構造 / 自己組織化 / カチオン性界面活性剤 / 直接合成 |
Research Abstract |
ゼオライトを触媒、吸着剤として応用する場合、結晶内部への分子の拡散性の低さが問題となる場合がある。そこで、本来のミクロ孔のほかに、より大きなメソ孔を有する階層的な多孔体材料の開発が重要な課題となっている。本年度は、非イオン性界面活性剤の一種であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C_nH_<2n+1>O(C_2H_4O)_mH;CnEOm)のシリル化誘導体をメソ孔形成の鋳型として用い、工業的に重要なゼオライトの一つであるMFI型ゼオライト(ZSM-5,silicalite-1)のメソ多孔体化について検討した。C16EO10のOH末端にアリル基を結合させた後、ヒドロシリル化反応によりHSi(OEt)_3を付加し、シリル化誘導体を得た。水、TPAOH(NPr_4OH)、TEOS(Si(OEt)_4)、アルミニウムイソプロポキサイド(Al(OPr)_3)(ZSM-5の合成時のみ)、を所定のモル比で混合した後、上記シリル化誘導体を添加し、撹拌した後、オートクレーブ中で水熱処理を行った。得られた沈殿を遠心分離により回収、洗浄、乾燥後、550℃で8時間焼成した。生成物のXRDパターンには、MFI結晶に帰属される回折ピークと、低角度側にメソスケールの規則性に由来するブロードなピークが観測された。SEM観察の結果、これらの生成物は微細な粒子の集合体で、かつ粒子間に空隙を有することが確認された。さらに、窒素吸脱着測定により、ゼオライト由来のミクロ孔に加えて平均5nm程度のメソ孔が形成されていることがわかった。-Si(OEt)_3基を持たないC16EO10を添加してもメソ孔形成が起こらないことから、反応過程におけるシリル基部と(アルミノ)シリケー下種との結合が重要な役割を果たしていると推定される。
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Research Products
(3 results)