2007 Fiscal Year Annual Research Report
可視光応答型薄膜状光触媒を用いたタンデム型太陽電池の開発
Project/Area Number |
07F07413
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
楠元 芳文 Kagoshima University, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MURUGANANDHAM M 鹿児島大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 太陽電池 / 可視光応答型光触媒 / 水素 / タンデム型 / 薄膜 / 触媒・化学プロセス / レーザーアブレーション法 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
年度途中での採用(10月末に来日)であったが、調節できる様々の形態や細孔を有する、高活性な可視光応答型光触媒の開発をめざして、酸化鉄のような酸化物や硫化物のような非酸化物の新規合成を精力的に行った。この短期間の間に、ナノタワー型の硫化カドミウム(CdS)の発見、階層状で細孔を調節できるタンポポ型やナノチューブ型の硫化亜鉛(ZnS)の発見、さらにはマクロボール型やナノシート型の酸化鉄の発見を行った。今後は、これらの新規の光触媒の特長を詳細に調べた後、太陽電池に組み込んでその性能を調べる。さらに、これらの光触媒を用いて、可視光下での水素発生や有機物分解、がん細胞死滅への効果に関する研究も試みる。 併行して、可視光下での水素発生用光触媒として、固溶体にも着目して研究を進めた。レーザーアブレーション法は、ペレット状に圧縮したターゲットにレーザーを照射し発生したプルームを基板に蒸着させて薄膜を作製する方法であるが、ターゲットとしてGaNとIn_2O_3の混合粉末を用いて、この方法で室温で薄膜を作製した後に600℃で焼成すると固溶体が出来ることを見いだした。GaNの融点が約800℃、In_2O_3の融点が2000℃以上であるので、両方の融点以下の温度で固溶体の作製に成功したことは大変注目すべきことである。なお、スキージー法はペースト状のターゲットをガラス棒などで引き伸ばして薄膜を作製する方法であるが、この方法では焼成温度を高くしても全く固溶体を作製出来なかった。以上の結果は、レーザーアブレーション法を用いて、他の様々な材料も含めて固溶体の作製に取り組むことにより、新規の可視光応答型薄膜状光触媒の開発が可能であることを強く示唆しており、次年度の大きな研究対象の一つである。
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