2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07426
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白石 友紀 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KHANAM N. N. 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 壊死誘導 / 活性酸素生成 / NLP / 灰色かび病菌 / 感染(受容性)誘導物質 / 分生胞子発芽液 / SIPK / WIPK / カロース |
Research Abstract |
世界の作物生産(果樹、野菜、花卉など)の大きい障害となっている多犯性病原菌Botrytis cinerea(灰色かび病菌)のサプレッサー分子の実態については、世界的にも不明であり、その構造と機能の解析が強く求められている。そこで、本研究では、B.cinereaの感染機構に関与する分子を本菌の胞子発芽液から探索した。予想とは異なり、本物質は既報のような低分子物質でもNep1(for necrosis and ethylene-inducing peptide1)-様タンパク質とも異なっていた。分子ふるい、native PAGE等を用いた部分精製を試みたが、発芽液中には多量のポリサッカライド様分子の存在等により、完全な生成には至っていない。しかしながら部分精製標品の性質を調べた結果。分子量10-30kDaの水溶性、耐熱性、光耐性の弱酸性物質であることが判明した。また、バイオアッセイの結果、40μg/mlで広範な植物に壊死(36時間後)と活性酸素生成(9時間後)を誘導すること、さらに、さらに低濃度に於いても弱病原性B.cinereaや非病原性のAiternaria alternataに対する顕著な感染誘導作用(受容性誘導作用)を有することが判明した。一方、壊死は誘導するもののカロース蓄積や一部のPRタンパク質遺伝子発現は誘導しないことから、一部の防御応答は停止している可能性が示唆された。現在、さらに精製をすすめるとともに、情報伝達系の解析を行っているが、極めて興味深いことに、活性酸素精製に関わる情報伝達系のSIPKやWIPKをサイレンシングしても、顕著な活性酸素種生成が誘導されることが判明した。これらの成果は、国内の学会で2回公表した。また、学術誌への投稿を行い、国際会議(2009/8/1-5米国ポートランド)での公表を行う予定である。
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Research Products
(7 results)