2008 Fiscal Year Annual Research Report
コムギのホウ素輸送機構の解明とホウ素栄養ストレス耐性の付与
Project/Area Number |
07F07429
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM M. R. 東京大学, 生物生産工学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ホウ素 / コムギ / イネ / 変異株 / ヒ素 |
Research Abstract |
穀物のホウ素栄養は欠乏および過剰ともに問題になる。バングラデシュではヒ素と並んでホウ素欠乏が農業上の問題となっている。ホウ素トランスポーターを穀物から単離しその性質を明らかにすることは、ホウ素ストレス耐性作物の作出に重要である。本研究ではコムギなどの穀物からホウ素トランスポーターを単離し、その機能を明らかにするとともに、穀物に対してホウ素ストレス耐性を付与することを目的として開始したところ、オーストラリアのグループからコムギのホウ素トランスポーターについての報告がなされたこともあり、コムギに限定せず穀物のホウ素トランスポーターについての研究を進めることとした。平成20年度においては、イネのホウ素トランスポーター遺伝子の発現の組織特異性やホウ素栄養に対する応答についての検討を進めた。また、イネにおけるホウ素輸送の特性について、各種ホウ素濃度でイネを水耕栽培し、ホウ素濃度を様々な組織で分析することによって調査したところ、生育初期段階での種子に貯蔵されたホウ素の重要性が明らかになった。また、ホウ素トランスポーターをイネで発現させた植物を作出したところ、得られた系統の中にはホウ素ストレスに対して耐性を示すものが見いだされた。また、ホウ素トランスポーターがヒ素輸送に関与する可能性についても継続して研究を進めた。ヒ素を輸送することが既に知られている遺伝子の破壊系統の解析や酵母におけるヒ素輸送活性の検定を行った。
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