2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵素変換による高感度検出法を用いる微生物由来新規生理活性環状ジペプチド類の探索
Project/Area Number |
07F07431
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神崎 浩 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUETUSIWA M. T. 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 生物交換 / デヒドロアミノ酸 / 環状ジペプチド酸化酵素 / 放線菌 / 糸状菌 / 二次代謝産物 |
Research Abstract |
我々がみいだした,放線菌Streptomycs albulus KO23株由来の環状ジペプチド酸化酵素(CFLoxidase)が環状ジペプチドに対して,非常に幅広い特異性を示すこと,その反応生成物,脱水素型環状ジペプチドが特徴的なUVスペクトルを示すことから,酵素反応とDAD-HPLC法を組み合わせることで,環状ジペプチドを検出する方法を,これまでに報告してきた。昨年度は,その方法の適化を図り,より簡便で高感度にする手法へと改善した。本年度はこの方法を用いて,微生物とくに二次代謝産物生産能が高いとされている糸状菌100株程度を3種類の培地で培養して上記環状ジペプチド検出法でのスクリーニングに供したところ,数種類の試料に環状ジペプチドと予測される化合物の存在を認めた。その生産は,培地により異なっており,同じ糸状菌でも培地が興なると生産は認められなかった。鰹節生産に用いられる糸状菌についてもスクリーニング対象としたところ,既に報告されている抗酸化性環状ジペプチドの生産を本方法でも確認できた。興味深いことに,培地を変更させる事による生産性の変化に加え,振とう培養と静置培養の違いによっても,生産の有無が全く異なっていた。さらに微生物培養液に加えて,植物培養細胞抽出液をも対象とした。この植物培養細胞は我々の研究室で20年近くにわたり継代を続けてきた,カルス細胞および液体懸濁培養細胞であり,それらのメタノール抽出物をスクリーニング対象としたところ,1種の植物抽出物中にCFLoxidaseによる酵素反応を受ける化合物の存在を認めた。
|