2009 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度リモートセンシングによるスーダンでの水資源管理と寄生雑草管理に関する研究
Project/Area Number |
07F07441
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中丸 治哉 Kobe University, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BASHIR M. Ahmed 神戸大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | リモートセンシング / 水資源管理 / 寄生雑草防除 / 蒸発散量 / SEBAL / ストライガ / スーダン / ゲジラ潅漑地区 |
Research Abstract |
本研究は,乾燥地域における水資源の高度利用と寄生雑草防除への寄与を目的として,高解像度リモートセンシングによる水資源管理と、同リモートセンシングによる寄生雑草管理という2つの課題を検討するものである.本年度は,各種の潅漑効率指標に基づいて,スーダン・ゲジラ潅漑地区における潅漑効率の評価を実施した. ゲジラ潅漑地区の2つの幹線用水路Gezira及びManagilにおける2001年12月~2002年3月の冬期間について,relative water supply(RWS), overall consumed ratio(OCR), depleted fraction(DF), crop water deficit(CWD), relative evapotranspiration(RET), water productivity(WP)から成る5つの潅漑効率指標が適用された.蒸発散量の空間的な分布の計算には,衛星リモートセンシングに基づくエネルギー収支法であるSEBALが適用された.その結果,各幹線用水路の受益地区に含まれる3次水路毎に評価した潅漑効率指標には,非常に大きなばらつきがあり,農地ごとの潅漑効率に大きな差が生じていることが示され,水配分の等質性を高める必要性があることが指摘された.さらに,冬期の水需要と水供給には,40%を超える大きなギャップがあることも示された.加えて,一連の解析結果は,ゲジラ潅漑地区のような巨大プロジェクトにおける潅漑効率評価に対して,リモートセンシングと現地の潅漑水量データを組み合わせる方法が非常に強力かつ経済的であることを示している.この研究成果は,国際誌(Irrigation Science)に投稿中である.
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