2008 Fiscal Year Annual Research Report
砂漠化最前線における植生のロジスティック成長モデルの構築と生態環境修復効果の予測
Project/Area Number |
07F07442
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
渡邉 紹裕 Research Institute for Humanity and Nature, 研究推進戦略センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAO Aimin 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ポプラ植林 / 植林間隔 / 水分消費 / コンパートメントモデル |
Research Abstract |
本研究で対象とした中国内モンゴル東部に位置するカルチン(科爾沁)沙地は、かつては疎林や草原であったが、1960年代以後、気候の変動および人口の急激な増加に伴う自然草地の過開墾、過放牧により深刻な流動砂漠になってきた。砂漠化の脅威のため、農牧業の持続が極めて不安定な状況にある。砂漠化が進む地域では、流砂・飛砂を止めるために、各種の植林地の造成が進められているが、境界地帯における植林地は、流砂・飛砂だけでなく、周囲からの乾燥した熱移流にも晒されている。 本研究では、沙漠化最前線における植生のロジスティック成長モデルの構築と生態環境修復効果の予測を図るため、まず(1)事例対象地区の沙漠化進行の地帯で気象資料の収集、緑化植林の植生状況調査、微気象環境の観測をするために現地の研究機関と研究者の協力を得て現地調査を2回に行った。また(2)対象地域の過去10年間の気温・湿度・降水量・風速・地温等の気象環境データを整理・分析し、地域特有の気候特性を明らかにしている。(3)砂漠の緑化に主に利用されるポプラ植林を対象に、生育ステージ毎のバイオマス生産量・空間構造を明らかにしている。さらに(4)研究課題に関わるポプラ群落地の土壌水分環境を把握する目的で、当地の気象データおよび土壌データを利用して植林群落の水消費についての数値実験を試みた.また対象事例地区のカルチン沙地における最適なポプラの植栽密度を明らかにした。この研究成果を雑誌論文として日本沙漠学会誌に投稿した。
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Research Products
(4 results)