2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホテイアオイが閉鎖性水域における水質動態に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
07F07443
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 英二 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUI QUOC Lap 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 閉鎖性水域 / 吹送流 / 熱対流 / 水質動態 / 3次元数値モデル / 水質改善 / 水質保全 / 水生植物 |
Research Abstract |
ベトナムには日本と同様に多くの農業用ため池が存在している。近年、それらのため池では、栄養価の高い生活排水等の流入により富栄養化が進み水環境の悪化が顕在化しており、水質保全・改善が喫緊の課題となっている。 閉鎖性水域である農業用ため池の水質保全・改善を図るためには流れと水質動態に関する予測モデルの開発が不可欠である。とくに、水質悪化が顕著である水生植物の繁茂する夏季における水質改善・保全がきわめて重要となる。すなわち、閉鎖性水域における水域内流動-水質動態-水生植物繁茂量の3者間の相互の応答関係を定量的な把握が可能である「水生植物の繁茂する水域における高精度な流れと水質予測のための3次元モデル」の構築が必要となっている。閉鎖性水域特有の流れは、熱的擾乱に基づく熱対流と機械的擾乱に基づく吹送流からなる複合的な流れ場であるため、その流れ場およびそれに基づく水質動態を3次元的に予測可能なモデルの開発が重要である。 当該年度の研究では、まず、現地観測並びに室内水理実験により収集したデータを用いて、モデルパラメーターの同定や再現計算の検証を行い、閉鎖性水域における熱対流と吹送流からなる複合的な流れと水質動態を再現する3次元モデルを確立した。ついで、このモデルを用いて閉鎖性水域の流れと水質動態のシミュレーションを行い、効率的な水質保全・改善を図るためのホテイアオイの繁茂量および水面占有率を明らかにした。
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Research Products
(2 results)