2007 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル排気由来ニトロフェノール類とナノ粒子の生殖機能抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
07F07445
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田谷 一善 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MI Yuling 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | DEP / Quercetin / hypoxathine / ニワトリ / 精巣細胞 / 2,4-dichlorophenoxyaceti& / 細胞毒性 / AhRリセプター |
Research Abstract |
ディーゼル排気微粒子(DEP)の生体影響、特に3-メチルーニトロフェノール(PNMC)、4-ニトロー3-フェニルフェノール(PNMPP)および4-ニトロフェノール(PNP)の生殖細胞への毒性作用を明らかにし、Quercetin(酸化防止剤であり、AhRリセプターとの結合能を有する)による毒性緩和作用の有無について検討するための研究を実施し、以下の結果を得た。本研究では、初めに(1)ニワトリ胚(18日令)を用いて精巣細胞を摘出して、初代培養系を確立した。次いで(2)hypoxathine-xanthineoridase(HX-XO)あるいは2,4-dichlorophenoxyacetic acid(2,4-D)により、ニワトリ精巣細胞に細胞障害を誘起する。この細胞に(3)Quercetinを同時に投与することにより細胞障害の程度を観察した。以上の研究を行った結果、HX-XOあるいは2,4-Dによる精巣細胞の毒性障害には、Quercetinに明らかな抑制作用のある事実が判明した。これらの結果は、QuercetinがDEPによる精巣細胞への毒性を抑制する可能性を強く示唆するものである。次に(4)DEP由来の3種類のニトロフェノール、PNMC、PNMPPおよびPNPを(1)の方法で作製したニワトリ胚(18日令)の生殖細胞初代培養系に作用させ、細胞障害の程度を観察すると共にQuercetinを同一の培養細胞に作用させた。その結果、PNMC、PNMPPおよびPNPの容量依存的に細胞障害が認められた。また、Quercetinを同時に作用させることにより、PNMC、PNMPPおよびPNPのいずれの細胞障害も軽減されることが判明した。以上の結果から、QuercetinはPNMCによる細胞障害を緩和する作用を有する事実を明らかにした。
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Research Products
(1 results)