2007 Fiscal Year Annual Research Report
非分裂細胞で高効率に遺伝子発現可能な人工遺伝子デリバリーシステムの創製
Project/Area Number |
07F07452
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原島 秀吉 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAHEEN Sharif 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子デリバリー / 細胞内動態制御 / 量子ドット / FRET / MEND |
Research Abstract |
人工遺伝子ベクターのボトルネックとして、遺伝子発現効率の悪さが挙げられる。ウイルスベクターは発現効率が高いことが知られているが、本ベクター群は、細胞内を微小管輸送により効率的に核まで送達できることが示されている。我々は、遺伝子発現における細胞間heterogeneityの原因を明らかとすべく、遺伝子の核移行と遺伝子発現を同時に検出するdual imagingシステムを構築した(Akita, et. al. J. Gene Med. 2007)。その結果、遺伝子発現における細胞間heterogeneityは、核移行のheterogeneityのみではなく、核に送達された後の転写・翻訳過程(核内動態)に主要な原因があることを明らかとなった。 遺伝子の核内動態を支配する要因としては、遺伝子のベクターからの脱凝縮化が大きく関与すると考えられる。そこで、細胞内、核内における脱凝縮化効率の定量化を試みるため、DNAを量子ドットでラベル化し、FRETの原理を用いて、脱凝縮化過程を解析することを考案した。蛍光プローブのローダミンラベル化ポリカチオンと量子ドットラベル化したDNAを凝縮する際の条件を最適化することで、効率的なFRETを検出できる条件を見出すことに成功した。量子ドットラベル化DNAと蛍光プローブ標識したポリカチオンを搭載した多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)によって細胞内へ導入することにより、FRETの原理を用いて、DNAの細胞質内、あるいは、核内の脱凝縮化過程を可視化し、細胞質、核内における脱凝縮化効率を定量的に評価したい。
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Research Products
(1 results)