2009 Fiscal Year Annual Research Report
AID変異体ノックインマウスを用いたAIDの生理病態機構解明
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07F07460
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本庶 佑 Kyoto University, 医学研究科, 客員教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEI Min 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗体 / クラススイッチ / AID / 体細胞突然変異 |
Research Abstract |
抗体産生応答においてAID(activation-induced cytidine deaminase)の2つの活性、すなわち体細胞突然変異とクラススイッチ組換えの両者が効率良く外敵を排除するために重要であるが、体細胞突然変異単独の寄与は動物モデルがなかったため明らかでなかった。そこで体細胞突然変異の生体内での重要性を検討するため、体細胞突然変異を特異的に消失するAIDのN末mutant(G23S)のノックインマウスを作製し、生体防御とくに腸管免疫における意義を検討した。 G23SノックインマウスではIgG,IgA,また腸管内にIgAの分泌が認められ、クラススイッチはほぼ正常である一方、体細胞突然変異は有意に減少していた。AIDノックアウトマウスと類似の表現型、脾臓やパイエル板の胚中心の過形成が認められたが、その程度は常にノックアウトと野生型マウスの中間を示した。この過形成の原因は今まで報告されてきたようにクラススイッチの障害、IgAやIgGの欠失によるものであることを否定できないが、G23Sマウスの結果から体細胞突然変異の減少による寄与も重要であることがはじめて明らかになった。コレラ毒素に対する防御反応はG23Sノックインマウスで有意に低下していた。 つまり体細胞突然変異の減少は病原体排除能の低下だけでなく、リンパ組織の過形成などの免疫異常にも寄与していることが明らかになった。 これらの結果は現在論文投稿準備中である。
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