2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体内一酸化窒素測定カテーテルの開発と不安定プラーク診断への応用
Project/Area Number |
07F07463
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡辺 重行 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 景岩 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 動脈硬化 / 不安定プラーク / 光干渉断層法 / WHHLMIウサギ / マクロファージ / びらん |
Research Abstract |
本研究は、新たに開発された生体内一酸化窒素(NO)測定用カテーテルおよび、血管内に挿入し血管壁の組織性状を生体内で解像度10μmの超高精度に観察可能な光干渉断層装置(optical coherent tomography:OCT)を用い、ウサギの種々の動脈硬化モデルにおける動脈硬化所見を生体内で観察し、動脈硬化病変の生理学的、組織学的、分子生物学的、免疫組織学的所見と対比し、動脈硬化所見、特に不安定プラークの生体内診断法を確立することを目的としている。平成20年度は、正常ウサギ(n=5)、1%コレステロール食負荷ウサギ(n=8)、動脈硬化を容易に形成するWHHLウサギ(n=8)を用い、NOカテーテル及びOCT装置による血管の観察を行い、それらの病理標本の各種免疫染色を行った組織所見と得られた画像との対比、解析を進めた。 その結果、NOカテーテルによる測定は、雑音が多く解析に困難を伴うことが判明し、その対策に苦慮、生体内での測定は不可能との結論に達した。一方、OCTでは、非常に鮮明な画像が安定して得られ、動脈硬化病変の生体内診断に向けていくつかの新知見を得た。すなわち、動脈硬化血管において、 1.不安定プラークの特徴であるマクロファージの集簇部位は、強く高輝度シグナルを示し、かつ遠位に放散するシャドウを伴うこと、 2.不安定プラークのもう一つの所見である血管のびらん面は、内皮細胞の小ささから直接描出することはできないものの、びらん面に小血栓が付着する、あるいはマクロファージが露出する、などにより、不規則な凹凸面を示すことがある。 3.不安定プラークのもう一つの特徴である動脈硬化巣における粥腫内新生血管の描出も可能である。 などである。これらの知見は、本年度、複数の学会に報告し、現在、論文執筆中である。
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Research Products
(6 results)