2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト悪性腫瘍におけるRho GTPaseの役割-分子生物学的評価と治療への検討
Project/Area Number |
07F07466
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
桑野 博行 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AHMAD Faried 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子 / 癌 |
Research Abstract |
昨年、我々はRho GTPaseファミリーとして知られている移動性細胞の特質に焦点を当てていた。我々のチームは、癌細胞マウスモデルで、RhoAとRhoCの悪性度を解明した。生体分子的見地から、我々の研究で、RhoAとRhoCは悪性度に関して94%の同一性を認めながら、異なる機能があることを示した。RhoAは腫瘍増殖を促進し、RhoCは遠隔転移を誘発している。現在のものに代わる有望な抗癌治療としてRho GTPaseとRhoキナーゼ抑制剤について調べるため、さらなる基礎的・臨床研究を要する。この研究とともに、我々は抗癌剤として働く可能性のある、新しい糖鎖コレスタノール化合物も開発している。我々はいろいろな、マウスおよびヒト癌細胞株(例えば、マウス大腸癌細胞株、ヒト食道癌細胞株、ヒト胃癌細胞株、ヒト大腸癌細胞株、ヒト子宮頚癌細胞株、ヒト脳腫瘍細胞株)でこれらの化合物を観察した。そして、それらの細胞を人間の食道非腫瘍細胞株と比較した。我々の結果は、新しい糖鎖コレスタノールが外部信号と内部ミトロンドリア経路両方を介して、アポトーシスを誘発する複数の信号形質導入経路で調整因子となったことを示唆している。糖鎖コレスタノールは、暴露のごく早期において、非腫瘍細胞よりも癌細胞に影響しやすく、さらに、特に血管内皮成長因子の発現を抑制するようであった。これらのことより、糖鎖コレスタノールの新しい機能として、ヒト癌に対して有望な治療の可能性があることが示唆された。
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Research Products
(4 results)