2007 Fiscal Year Annual Research Report
海綿骨の組成と形態を模倣した炭酸アパタイトフォーム骨置換材の創製
Project/Area Number |
07F07469
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 邦夫 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNAR M・L 九州大学, 大学院・歯学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 生体材料 / 海綿骨 / アパタイト |
Research Abstract |
本研究は、自家骨移植に多用されている海綿骨の組成と形態を模倣した完全連通気孔型炭酸アパタイトフォーム骨置換材の創製を目的とする。研究代表者らは、ポリウレタンフォームにハイドロキシアパタイトのスラリーを付着させ、高温でポリウレタンの焼却とハイドロキシアパタイトの焼結を行えば、海綿骨の形態に類似したハイドロキシアパタイトフォームを調製できることを既に明らかにしている。しかし、炭酸アパタイトは、熱的に不安定な化合物であるため、ハイドロキシアパタイトフォームの調製法を、炭酸アパタイトフォームの調製に直接応用することは不可能である。そこで本研究では、熱的に安定なαリン酸三カルシウム(αTCP)のフォームを前駆体として、それを炭酸アパタイトへ相変換する。今年度は、αTCPフォームをハイドロキシアパタイトフォームと同じ製法で調製し、これを炭酸塩水溶液中で処理することにより、フォームの連通気孔構造を保持したまま炭酸アパタイトへ相変換できるかどうかを検討した。αTCPフォームを炭酸アパタイトへ相変換するために、フォームを炭酸ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃から200℃の温度で種々の期間水熱処理した。水熱処理後、フォームの形態を観察した結果、αTCPフォームの連通気孔構造は保持されていた。さらに、X線回折および赤外分光による組成分析の結果、200℃で24時間水熱処理したフォームは、完全に炭酸アパタイトへ相変換したことが分かった。以上の結果より、αTCPフォームを前駆体として、炭酸塩水溶液中で相変換すれば、形態と組成が海綿骨のそれらに類似した炭酸アパタイトフォームを調製できることが明らかになった。
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