2007 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂患者の発話時における脳活動と構音器官運動の相関
Project/Area Number |
07F07470
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 啓司 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
INOUE Maristela Sayuri 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | MRI movie / fMRI / 口唇口蓋裂 / 発音 |
Research Abstract |
近年開発されたMRI movieおよびfMRIは、非侵襲的にそれぞれ末梢器官運動および脳活動を記録することが可能である。一方、日本人に高頻度で発生する先天異常である口唇口蓋裂(CLP)は、言語表出に深く関与する口唇・歯槽部・口蓋などの口腔咽頭領域の講音器官に器質的問題を有する。この構音障害の原因は末梢器官の形態および機能に限局した障害であるとこれまで考えられてきた。しかし、最近、成人CLP患者における中枢神経系の機能異常が報告されている。本研究の第一の目的は、口腔顔面形態に左右差のある片側性CLP患者では、発音時の脳賦活パタンにも左右差が見られるという仮説を検証することである。第二の目的は、前述の賦活パタンと末梢における機能的・器質的異常との関連を明らかにすることである。これまで健常者成人でpilot studyを行い実験のプロトコールを決めた。1.5テスラMRI装置ならびにhead-neck coilを用いて撮像を行った。fMRIの方法としては、MRI装置内に設置したプリズムを介して室外に設置したノートパソコンを介して発音と安静を指示する視覚情報を与えた。発音課題は、/pa/(両唇音),/ta/(歯茎音),/ka/(軟口蓋音)を用いた。MRI movieでは、fMRI実験と同一の発音課題を用いて、外部トリガーボックスから出力されるトーンバースト信号に合わせて被験者が発話を繰り返し行う間に、MRI装置ではトリガーの入力に同期したサンプリングを連続して行い、動画を記録した。今後はCLP患者において上述の方法を用いてデータ採得を行う。また、脳活動イメージングセンタで脳機能計測方法の講習会を受講したが、この講習会で得られた知識・経験をfMRI実験に活用する予定である。
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