2008 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質のPOPs特性評価のための構造物性相関-多媒体結合モデルの開発
Project/Area Number |
07F07552
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
鈴木 規之 National Institute for Environmental Studies, 環境リスク研究センター, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PUZYN Tomasz 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 残留性有機汚染物質 / 長距離移動特性 / 物性値 / 構造-物性相関 / 臭素化難燃剤 / 臭素系ダイオキシン |
Research Abstract |
残留性有機汚染物質(POPs)の特性として、長距離移動性と残留性が重要と考えられているが、これらは、化学物質の各種の物性の組み合わせによって決定される。これまで、多媒体動態環境動態モデルを基礎とした長距離移動性評価指標(LRTP:Long-Range Transport Potential)および残留性(Pov:Overall persistence)に関する検討が広く行われているが、環境動態モデルによるLRTPおよびPov指標の導出には対象物質の物性値が必要となる。多くの場合、完全な物性値は利用できず、一部の物性値かQSPR(構造物性相関)による推定値を用いることが必須となる。しかし、QSPR推定の不確実性が、導出されるLRTPおよびPovにどのような影響を与えるかの検討はまだ不充分であり、導出されたLRTP等の指標の信頼性確立のための検討が急務である。 本研究では、QSPRと多媒体動態の複合モデルの開発を行うとともに、この過程で化学物質の構造特性がどのような形でPOPs的な特性に寄与するかを明らかにすることを目標とする。 研究後半である本年度は、昨年度までに検討した臭素化難燃剤、臭素および臭素・塩素混合ダイオキシン類を対象として、動態モデルにおいて必要となる物理化学的定数のQSPR推定の方法に基づき、実際の関連物質のQSPR推定を行った。また、昨年度後半に新たにOECDによる公式の特性評価モデル(OECD-The Toolモデル)が公表されたので、このモデルに対する入力データおよびデータインターフェースについて検討を行った。 これらの成果をあわせて、研究発表(査読つき論文)の取りまとめを行った。
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Research Products
(2 results)