2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性半導体ナノ粒子を含有する微小ガラスビーズへの抗体分子の接着と活性の保持
Project/Area Number |
07F07555
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村瀬 至生 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 光技術研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Ping 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 半導体 / ナノ粒子 / 蛍光試薬 / ガラス / 抗体 |
Research Abstract |
蛍光性の半導体ナノ粒子を逆ミセル法を用いて微小なガラスビーズ中に封入、その表面に抗体分子を接着させることで、新規の蛍光試薬作製を目指している。ガラスビーズ中へのナノ粒子の封入は行える段階に来ていたが、半導体ナノ粒子分散ガラスビーズの大きさを制御し、サイズ分布を狭める必要があった。そこで、適切な貧溶媒を選択することと、フィルタリング手法を開発することを始めの目標とした。ナノ粒子含有ガラスビーズは、ハイドロカーボン中では安定で高い発光効率を示す一方で、水中では徐々に溶解すると言う欠点が判明した。このため、この溶解を防止し、高い発光効率を保ったまま水中で保持する必要もあった。 当初、ナノ粒子をガラスビーズに封入する際の溶液は、pH8程度であった。これをpH10程度にしてガラス網目構造を発達させることが、水中での安定性向上に有効であった。また、ナノ粒子を一旦精製してから界面活性剤を適量添加することで、発光効率の低下を抑えられることを見出した。さらに、化学分析の結果から、ゾル-ゲル反応でガラス成分となるシリカの量を1/10に減らすことで、ゲル状のガラスを減らせることを見出した。これらの結果により、水中で長期間、安定に保持できるナノ粒子分散ガラスビーズの作製に成功した。ガラスの網目構造を発達させることがガラスビーズの水中での耐久性向上に有効であり、さらに界面活性剤の追加によってその中に分散したナノ粒子の発光効率の維持が実現できたものと考察される。 このようなガラスビーズは、アセトンやアルコールなどの有機溶媒を添加しても溶解しなかった。これも網目構造の発達によるものと考察される。しかしながら、サイズが数十ナノメートルのガラスビーズは、従来のサイズ選択的沈降法では有効にサイズ選択ができなかった。このため、穴径0.2μmのフィルターを通した後に高速遠心するという手法を開発した。
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Research Products
(2 results)